皆さまは、夏の暑い日に突然のメダカの全滅に遭遇してがっかりした経験はありませんか?
メダカを飼育していると、メダカポツポツが死んでしまうシチュエーションには度々遭遇すると思いますが、突然の全滅って精神的にもダメージが大きいですし、避けられるものなら避けたいですよね。
今回は、メダカの突然死が起こった時に考えられる原因と、その対策についてご説明をさせていただきます。

いきなりの突然死でない場合は別の原因かもしれません。
そのような方は、先に以下の記事を読んでみてください。
【POINT1】カルキ不足は原因になる?

カルキ抜きをしないのは悪いことですが、突然の全滅に直結するかと言われれば微妙なところがあります。

カルキが魚にとって害になる事は事実ですが、カルキが魚にダメージを与える一番の原因はカルキがろ過バクテリアを殺してしまう事です。
カルキの成分が魚のエラに良くないという話も聞きますが、一番は飼育水中のバクテリアがカルキの毒性で死滅し、水質悪化が加速してしまった結果、ポツポツ死の原因にはなり得ます。
地域によって差があるかもしれませんが、水道水に含まれる程度のカルキ濃度であれば、魚を即死させるほどの毒性はないと思います。

だから、メダカが突然全滅をした時にカルキ抜きを忘れたことが原因ですか?と聞かれても、僕なら「可能性は低いかも・・・」とお答えします。
カルキの害は、直接的な魚への毒性よりもろ過バクテリアを死滅させ、結果として水質悪化につながるのが問題なのよね。

【POINT2】急に気温が上がった時の突然死

初夏、急に日差しが強くなり、気温が上がった時にいきなり全滅することがありますよね?
あれも、結構ビックリというかショックを受けるイベントですよね。
最初僕は、酸欠が原因と思っていましたが、調べてみるとアンモニアが原因だったんです。
突然死で主に考えられる原因としては
①酸欠になってしまった。
②急性アンモニア中毒になった。
③水温が上がり過ぎて茹で上がった。
高水温に強いメダカですが、さすがに長期間30℃以上の水温に晒したり、35℃以上の高温になると死んでしまいます。


生物が存在する限り、有機物が発生し、有機物が分解された結果、水中にアンモニアは増加して行きます。
ただ、アンモニアは必ずしも常に有害ではありません。
上の図を見ていただければ分かりますが、アンモニアは常に有毒なアンモニア(NH3)と無毒なアンモニウムイオン(NH4+)を行き来しています。
図を見ていただけるとわかりますが、高水温になったり水質がアルカリ性に傾くと有害なアンモニア(NH3)が増加し、飼育水の有毒化が進みます。


そのため、夏場急激に水温が上昇すると、水中のアンモニウムイオン(NH4+)が一気にアンモニア(NH3)に急変しメダカ達は死んでいくのです。
怖いでしょ?このような状況を急性のアンモニア中毒と呼びます。
急性アンモニア中毒の対策は?

暑い日が予想されたら、水替えが一番の対策だと思います。
通常からアンモニウムイオン(NH4+)がなければ、どんなに気温が上がってもアンモニア(NH3)は増えないのですから、水替えでNH4を減らしておくのが一番の対策なんです。
立ち上げたばかりの水槽だけでなく、初夏の水槽は梅雨の雨でろ過バクテリアが流され減っている可能性が高いです。
ですから、メダカが元気にしているように見えても、アンモニウムイオン(NH4+)が分解されずに溜まっている可能性が高いんです。

僕は暑くなる前、初夏の水槽の水は危険と考える方が安心だと思います。
可能であれば専用のキットを使用してアンモニアを計測することをおすすめいたします。
とにかく、有害なアンモニアは魚が調子を崩すので発見がしやすいのですが、無害なアンモニウムイオンはアンモニア検査以外に発見のしようがないんですよね。
そして気温の上昇と同時に急性アンモニア中毒を引き起こす厄介な奴なんです。
アンモニウムイオンNH4+は無毒なので、メダカの様子を見ていても気が付きません。
だから、涼しい時間にメダカが元気そうにしていてもアンモニア中毒の影は潜んでいることを忘れないようにしてくださいね。



このアンモニア検査キットは1セットで60回検査できるうえに、アンモニウムイオンにも対応しているので、真夏のメダカの突然死対策には最適です。
安いものではありませんが、それで大切なメダカ達を安全に飼育できるのであれば、決して高くはないと思います。
【POINT3】多めに牡蠣殻や砂利、石などのレイアウト用品を導入した

酸性雨対策に有効な牡蠣殻や底砂の砂利には水質をアルカリ性に変える効果があります。
アルカリ性に誘導されると、アンモニアが有毒化することを思い出してください。
つまり、アンモニウムイオンが増えている水槽に牡蠣殻や砂利を入れると、それだけで急性アンモニア中毒が起こり得るんです。
牡蠣殻を添加する際は、事前にアンモニア検査をするか換水で水質を一定以上浄化し、その上で少量ずつ添加されることをおすすめいたします。

可能であれば牡蠣殻を入れる前もアンモニア検査をするほうが安心ですよ。
最後に
僕は夏のメダカの突然死(全滅)の大半はアンモニア中毒だと思っています。
水替えでアンモニアを減らしたい思いと、水替えせずにバクテリアを増やしたいという相反した望みがこの悲劇を生みがちです。
でもこのジレンマは、事前にアンモニアを検査しておくだけで防げますので、ポイントポイントでアンモニアを検査してあげて是非防止してあげてください。
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。