みなさまはメダカの雨対策を何かやっていますか?
意外に雨が降っても放置の方も多いのではないでしょうか?
僕も飼育初心者の頃は雨をかなり軽視していました。
でも、特に梅雨時期にメダカがポツポツ死んでいくことに悩んで色々調べていくうちに、雨対策の重要性に気が付きました。
実はメダカの容器に多量の雨が降り込むと様々なデメリットというより害があるんですよ。
今回は、メダカ飼育における雨対策の重要性を解説させていただきます。
【STEP1】大雨でメダカが流れるだけが雨の被害ではないんです

年に何度かは、バケツをひっくり返したような大雨が続きますよね。
そんな時にしっかり雨対策をしていないと、容器が溢れてメダカが流されて大変です。
でも、実は問題の本質はメダカが流されてしまうことだけではないんです。
目に見えませんが大雨が降った後には、水槽の中で大きな変化が起きているんです。
【変化1】急激な水温の低下

基本的に上空から降ってくる雨の水は水槽の水より冷たいと思ってください。
季節によっても違いますが、雲の中では氷だった雨粒が空から降ってくる間に5℃ほどになるそうです。
でも、梅雨時期のメダカの容器の水温って20℃~30℃くらいじゃないですか?
そこに、水温5度の雨が大量に振り込んだら、メダカが風邪をひくのも分かりますよね!
冷房を強で前回運転されたようなものです。
大量の雨が飼育水槽に振り込むと水温が急激に低下します。
メダカにとっての水温1℃は人間にとって気温5℃に相当すると言われています。
どれだけメダカが寒い思いをするか想像してあげてください。
あっと言う間にみんなが風邪をひいて、もっと大きな病気に感染しやすくなっていきます。

これを聞けば、メダカが風邪をひいて弱ってしまうのが分かるよね。
それを飼育用語では水温ショックといいます。
【変化2】飼育水の急激な酸性化

酸性雨って言葉はご存じですよね。
雨は空から降ってくる間に、二酸化炭素など様々な酸性物質が溶け込むので、雨の酸性度は思いのほか高いんです。
こんな酸性の雨が大量に飼育水に流れ込むと、急激に飼育水のphが酸性に傾いて、メダカが酸性変化のショックを受けてしまうんです。
理科でも聞いたことがあると思いますが、ph(ペーハー・ピーエッチ)という指標があり、酸性・アルカリ性・中性を表しています。
メダカは弱酸性~弱アルカリ性まで幅広く適応できる魚なので、緩やかなphの変化であれば問題なく対応できます。
ところが、雨の酸性度はphで表わすと5.6ほどの強い酸性(メダカは6.5~8.0が望ましい)になります。
だから、大量の雨が水槽に流れ込むと、メダカがphの急変に耐えられず大きなショックを受けてしまいます。
これをphショックと言います。

単純にphが酸性に傾くだけなら水替えで済みますが、一度メダカが大きなphショックを受けて弱ってしまうと、その影響は小さくはないです。
大きなphショックを受けてしまった場合は、回復が困難な場合もあるので、雨対策は凄く大切ですよ!
メダカのショック症状については以下の記事をご参照ください。


牡蠣殻は酸性雨が降り込んだ際の酸性変化を、弱アルカリ性に誘導する効果があります。
梅雨などでphの急変が気になるときには、牡蠣殻でphを弱アルカリ性にコントロールしてあげるのもテクニックです。
ただし、水質がアルカリ性になるとアンモニアが有害化しやすいので、そこには注意が必要です。
注意ばっかりで申し訳ありません。
牡蠣殻は水質が酸性になると自然に石灰分が溶けだすので、水質を弱アルカリ性に変えることができるんです。

【変化3】グリーンウォーター(植物プランクトン)の死滅

一番大きな問題なのに見落とされがちなのが、植物プランクトンの大量死です。
大雨が降り込むとグリーンウォーターが流れ出て薄まるだけでなく、植物プランクトンも水質ショックを受けて死滅して底に沈殿するんですよ。
植物プランクトンの死骸は有機物なので、バクテリアに分解されてアンモニアになり水を汚していきます。
アンモニアが増えるとメダカたちはドンドン体調を崩して死んでしまいます。
だからグリーンウォーターに雨水が入るとポツポツ死が始まります。
以外に怖いんですよ。

まとめ

雨の基本ですが
①大量の雨の降り込みは原則厳禁
②もし雨が降り込んだら速やかに水替えをするこの2点が凄く大切なんです。
僕もメダカの飼育し始めの頃、雨をすごく軽視してきました。でも、大雨が続くとどうしてもポツポツ死が始まるんですよね。
梅雨の時期は太陽も陰るのでその限りではないと思うのですが、今まで説明してきた通り、やっぱり雨の影響は大きいと思います。
今では雨対策に屋根も作りました。雨は絶対に軽視してはダメですよ!
この記事がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
