ロングフィンのメダカを飼育したのに、横見で確認してもパッとしなかった経験はありませんか?
最近特に顕著ですが、ロングフィンのメダカの卵を採卵し、ただ飼育するだけではなかなか綺麗にヒレが伸びません。
僕もマリアージュを育てましたが、垂水さんのマリアージュみたいには育ちませんでした。
そんな経験をして悩んだことはありませんか?
そこがプロの飼育技術なんでしょうけど、一生懸命育てて見ても、なかなかフワフワヒラヒラに育たないですよね。

最近の品種は、しっかりヒレを伸ばすため様々な工夫が必要となってきています。

今回はロングフィンメダカのヒレを伸ばすための飼育方法について解説させていただきます。
【STEP1】ヒレを伸ばす要素は血統だけで決まらない

ここは体外光の伸ばし方と同じですよね。
ただ、育てるだけではなかなか望み通りにはなりません。
ヒレを伸ばすにも血統と固定率が最大の要素となりますが、どんなに優良な血統の卵を手に入れても、育て方を間違うと、それほど綺麗にはヒレが伸びてくれません。
では、ヒレを綺麗に伸ばすには血統以外に何が必要なのでしょうか?
ここからが本題ね。

【STEP2】ヒレを伸ばすためには餌と水温が肝心

メダカのヒレを伸ばすためには以下の4点を完備することが肝心です。
①水温28℃以上で育てる
②1.5cmの若魚まで育ったら水量2リットル以上の過疎飼育で飼育する
③栄養豊富な餌を数多く与える
④白または透明の容器を使用して明るい環境で飼育する
①水温28℃以上で育てる
僕も生物学者でないので確認はできていませんが、水温を28℃以上で育てると、細胞分裂が活発になり虹色素胞もグアニンも良く発達するそうです。
そうしてグアニンが発達すると体外光やヒレが伸びやすくなると言われているようです。
※長期間水温が35℃近くになるとメダカが弱る原因になりますので、水温は28℃~30℃の範囲で飼育することをお勧めいたします。
②1.5cmの若魚まで育ったら水量2リットル以上の過疎飼育で飼育する
水量2リットル以上で広々とストレスなく育ててあげると、メダカも元気に育ちヒレを伸ばす効果があるようです。

ヒレが伸びると体調も伸びますから、狭い空間ではヒレを伸ばしにくいのもなんだか納得ですよね。
また、魚は飼育密度が過疎であるほど成長が早いので、ヒレを含めて全長の成長と考えると、この辺りの効果も大きいと考えられます。
③栄養豊富な餌を数多く与える
栄養豊富な餌と言えばブラインシュリンプ一択です。
孵化に手間がかかりますが、その効果は絶大ですので是非お試しください。

④白または透明の容器を使用して明るい環境で飼育する
ヒレも体外光同様に虹色素胞とグアニン層の発達が良いと綺麗に伸びる傾向があると言われていて、白容器で黒色素胞を抑えて飼育する事で、グアニン層を発達させてあげると良い効果が得られるようです。

【STEP3】柄物メダカとの育て方の違い
三色メダカなど柄物タイプのメダカは、24℃以下の低温で育てると色が上がり易く、その為一冬越すと一層柄がハッキリと鮮やかになります。
また、柄を出すために黒容器で飼育することもロングフィンとの違いになります。
つまり、柄物のメダカとロングフィンのメダカの飼育方法は正反対であり、柄物メダカのロングフィンを綺麗に育てることは難しいと言えます。

柄を出すなら低温飼育、ヒレを伸ばすなら高温飼育。
柄モノのロングフィンが難しい理由がよく分かりますよね。
【STEP4】ロングフィンの飼育の難しさ
ロングフィンは選別の際などにヒレに擦れ傷を負いやすく、その傷口からミズカビ病や尾腐れ病にり患しやすいい傾向があります。
それ以外でも病気にかかりやすい傾向にあり、水質変化にはかなりうるさいとお考え下さい。
また、ヒレを伸ばすために加温飼育を行いますが、水温が上がるとアンモニアが有害化しやすいので一層注意が必要です。
ロングフィンのメダカ飼育には、スレ傷に効果がある水ごとネットとプロテクトXをおすすめします。

最後に
毎年毎年ロングフィンは磨かれて美しさを増しています。
その反面で、プライベーターがブリーダーが育てた種親と同等の美しさを再現することが難しくなってきた印象があります。
みなさまも、ヒレの再現が難しくなったからと諦めるのではなく、積極的に加温飼育などにチャレンジいただき綺麗なメダカを生み出していただければと思います。
この記事がみなさまのお役に立てたら嬉しいです。