どうしたら改良メダカの体外光を綺麗に伸ばすことができるのですか?白容器・透明容器を用いたメダカの作り方/遺伝・固定率などについて

体外光とは幹之メダカに代表される、メダカの背中に輝く金属光沢のラインです。

幹之メダカなど一部の品種では体外光の固定率も高く、殆どが何もしなくてもフルボディ(口の先から尾筒まで光る状態)まで光が伸びます。

しかし、現在でも花魁や紅白体外光など柄があるメダカの体外光は、まだまだ特別な飼育法をしないと綺麗に伸ばせない状況です。

せっかくなら綺麗に育てたいですよね。

今回は、そんな体外光を伸ばす育て方について解説をしていきたいと思います。

【STEP1】体外光を伸ばす方法

*体外光を伸ばす育て方
①最低水温28℃以上で育てる

②白い容器で育てる

③幼魚まではやや過密で育てる

④こまめに栄養豊富な餌を与える

①最低水温28℃以上で育てる

最低水温28℃以上で育てると、虹色素胞のグアニン層(魚の金属光沢の反射を産み出す細胞)が活発に細胞分裂をし発達することで体外光が良く伸びると言われています。

ただし、水温が26℃を超えてくると水質悪化や様々な病気が出やすくなるので注意が必要です。

②白い容器で育てる

メダカには①黒色素胞②白色素胞③黄色素胞④虹色素胞の4種の色素胞があるのです。

この4つの色素胞の組み合わせでメダカの柄が決まるのですが、最近になって黒色素胞が発達すると虹色素胞が発達しにくくなることが分かってきました。

そこでメダカの背地反応(保護色機能)※1を利用して、白い容器で黒色素を減退させて育てることで、逆に虹色素胞を発達させようというのが、白い容器で飼育する意味です。

ただし、白い容器で長期間育てると、黒い色の容器に戻しても本来の黒色が戻らない品種も少なくないために、黒ラメなど黒を楽しむ品種などは白容器の飼育に向かないことがありますのでご注意ください。

※1メダカは濃い容器の中では体色を濃くして、色が薄い容器の中では体色を薄くする機能を持っています。

飼育員カツミ
飼育員カツミ

これが白容器で飼育したメダカです。

写真は下手ですが、全体に色が白っぽくて体外光が載ってきているのが分かると思います。

飼育員カツミ
飼育員カツミ

これが黒容器で育てた兄弟のメダカです。

オーロラ黄ラメ幹之ですが、体外光は出ずにラメだけ出てきた感じです。

そして体色も黒っぽいですよね。

これを見れば一目瞭然で、白い容器で育てた方が綺麗に育つと思います。

③幼魚まではやや過密に育てる

魚は過密な環境におかれると、成長を遅らせる本能を持っています。

その過密だと成長を遅らせる本能を活用し、最も体外光を伸ばす稚魚~若魚の時期をゆっくり過ごさせることで、虹色素胞を発達させる期間を長くしようというのが過密飼育の効果です。

④こまめに栄養豊富な餌を与える

体外光を伸ばす大切な時期には、虹色素胞のグアニン層をしっかり成長させる必要がありますので、その間の餌にも十分気を使いたいところですよね。

市販の粉の餌に加えて、ミジンコやブラインシュリンプを絡めて育てると良いと思います。

ただし、餌をたくさん与えたいからと言って、たくさんの餌を1回で与えると食べ残した餌が腐って水質を悪化させてしまいます。

その対策として、先ほども申しましたがミジンコやブラインシュリンプなどの活き餌を活用して、できるだけ常時餌を食べれるようにしてあげてください。

最後に

せっかく体外光が綺麗なメダカの卵や稚魚をいただいたのに、綺麗に育てることができなかったら本当に残念ですよね。

記事中でも書きましたが体外光は育て方ひとつで、結果が大きく変わります。

ただ、どうでしょう?白容器で育てるなどであれば、それほど難しいことではないのではないでしょうか?

水温も初夏以降であれば自然の水温でも28℃は超えていきます。

実際の育て方はそれほど難しくはなく、大切なことは育て方の目安や、方法を知っておくと言うことなんです。

この記事が皆さまのお役に立てると嬉しいです。