観賞魚を飼育する楽しみの一つが、繁殖や子育とおっしゃる方も多いのではないでしょうか?
もしかしたら、繁殖にチャレンジしてみたいと思いながら、なかなか自信が持てない方も多いかもしれませんね。
私が初めて繁殖に成功した魚はグッピーで、その他にも「メダカ」「コリドラス」「シュリンプ色々」「グッピー」「プラティー」「ゼブラダニオ」「ベタ」などの繁殖経験があります。
成功すると、とっても幸せな気分になれる観賞魚の繁殖。
今回はそんな観賞魚の繁殖について、解説をさせていただきます。
みなさまは観賞魚の繁殖にチャレンジしたことはありますか?
前述しましたが、私も10年以上の飼育経験の中で、様々な種類の魚の繁殖を手掛けてきました。
正確には狙って繁殖したというよりも、育てていたら卵が産まれてビックリした体験の繰り返しです。
誤解を避けるために言葉を選びながらの表現です。
観賞魚は犬や猫などに比べて、子供が増えても責任もって自分で育てることが容易なので、気軽に繁殖を楽しめることが魅力と思っています。
今回は、私が繁殖を手掛けた中で、初心者でも繁殖にチャレンジしやすい魚種の繁殖マニュアルを作ってみました。
繁殖に興味をお持ちの方は是非ご覧ください。
孵化したての稚魚の育て方は、大雑把にはみんな同じなので、この記事の最後に一般的な稚魚の育て方をまとめておきます。
この記事を読んで、みなさまも観賞魚の繁殖を楽しんでみてください!
【STEP1】グッピーやプラティーなどの卵胎生メダカ類
初めての繁殖には何がいい?
そう聞かれたら迷わずグッピーをおすすめします!
グッピーの繁殖環境
グッピーの繁殖で調べてみると、水温や飼育数、雄雌比など様々な条件が書かれていることがあります。
でも、私の経験では、普通に熱帯魚が飼育できる環境に雄雌が揃っていればドンドン増えていくのがグッピーです。
グッピーはキチンと飼育環境を整えてあげるだけで、ドンドン『産子(サンシ)』して増えてくれます。
産子・・・グッピーなどの卵胎生メダカは、雌のお腹の中で卵をふ化させて、哺乳類のように卵ではなく直接子供を産む特徴を持っています。
卵ではなく子供を産むので、産卵ではなく産子といいます。
本当にグッピーはドンドン増えるので、飼育の限界が来る前に雄雌を分けてあげた方が安心です。
共食い対策
ちょっとビックリかもしれませんが、グッピーには共食いの性質があり、生まれたての子供は成魚に狙われて捕食されてしまいます。
魚の共食いあポピュラーなことで、殆どの魚種で繁殖時の共食い対策は必要です。
捕食のから稚魚を守るために、産子の時にはお母さんグッピーをサテライト水槽に移して子供たちを守ってあげてください。
産卵のタイミングは、お母さんのお尻の付近に稚魚の目が透けてきたらやお母さんのお腹が膨らんで丸型を超えて四角になったらなどと言われますが、正直言ってココっていうピンポイントの見極めは難しいです。
私は、サテライト水槽に入れても3~4日産子が始まらなければ、2日くらいお母さんに外でリラックスしてもらって、再度サテライト水槽へ移動を繰り返しています。
私は、グッピーやプラティーの産子にこのケースを使っています。
【STEP2】レッドビーシュリンプなどのシュリンプ類
レッドビーシュリンプは水質に敏感なので相応に繁殖のハードルは高いですが、ミナミヌマエビや近縁種であるチェリーシュリンプの繁殖は初心者の方でも簡単に楽しめます。
ヤマトヌマエビの稚エビはとても小さく、汽水域(薄めの海水)でしか育たないので、他のシュリンプに比べて繁殖は難しめです。
以下にレッドビーシュリンプの繁殖の記事を載せます。
先程も書きましたが、やや水質管理が難しいことを除けば、レッドビーシュリンプも行うことは同じです。
【STEP3】コリドラス
コリドラスも繁殖しやすい観賞魚に当てはまります。
コリドラスも、グッピーと同様に飼育環境が適切であれば、自然に産卵を始めてくれます。
産卵期が近づくとオスがしきりにメスを追い回すようになり、メスは交尾の受け入れ準備が整うと、自分の顔をオスのお腹に近づけるような仕草を取るようになります。
それを見かけたら産卵は近いので、水草など産卵場所の準備を急いでください。
卵の隔離
コリドラスは、水槽のガラス面やレイアウトの石や水草に卵を産み付けます。
産卵の兆候が見られたら、アマゾンソードやアヌビアス・ナナなどの葉が広い水草を入れてあげると、水草に産卵するので採卵がし易くなります。
ガラスの壁面に産卵した場合は、優しく卵を集めてあげてください。
コリドラスも共食いの性質を持っていますし、他の魚との混泳水槽では稚魚や卵が他者に捕食されるリスクがあります。
だから、コリドラスの卵を見つけたら、採卵して別の水槽へ隔離してあげてください。
【STEP4】ゼブラダニオやアカヒレなど
ゼブラダニオもペアが揃ってさえいればドンドン産卵する魚です。
水槽の底に100~300個もの小さな卵をばら撒くように産むので、それを集めて隔離するのは困難です。
しっかり育てたい場合は、産卵専用の水槽を準備して産卵させる方が確実です。
産卵期のアカヒレはオスがメスを追い回したり、オスと、メスが互いに体をぶつけるような仕草を見せます。
その様な仕草を見かけたら産卵は近いですよ。
ゼブラダニオ同様に卵をばら撒くように産みますので、しっかり増やしたい場合はお母さんの隔離や採卵が必要になります。
【STEP5】ベタ
ベタは気性が荒いので雄同士だけでなく、雄雌の混泳も注意が必要です。
ベタのメスが十分に成長して、お腹がオレンジ色に膨らみを帯びてきたら、繁殖が開始できるサインです。
オスのベタを繁殖用の大き目の水槽に入れてあげて、その中に小さな透明容器のままメスを沈めてあげて下さい。
最初のうちは、オズがしきりにメスを威嚇するような態度を見せますが、これはベタ独特の求愛行動です。
そして、メスがオスを気に入ると容器の壁を挟んで寄り添うようになりますので、そうしたら静かにメスをオスの水槽に移してあげてください。
交尾までの間、オスがメスを追い回して攻撃することもあります。
ですから、産卵水槽の中には水草などの隠れ場を設置して、メスが休憩というか一時避難ができるような場所を準備してあげてください。
全く寄り添うような仕草がない場合は、相性が悪い可能性が合いので、ペアを変えて再チャレンジしてください。
産卵の際に少なからず雄は雌を傷つけますので、相性が悪いペアだと雌のヒレをボロボロにかじられた上に得る物がない最悪の結果になってしまします。
雌に雄が巻き付くような動きをしたらそれがベタの交尾で、何回もに分けて50個~300個もの卵を産むと言われています。
※卵のすべてが孵化して大きく育つわけではないため、実査に卵の総数がどれくらいかは数えたことがありません。
産卵が終わったら、すぐに雌は産卵水槽から取り出して休ませてあげてください。
卵は3日ほどで孵化しますが、その期間雄はずっと卵のお世話を続けます。
卵が孵化したら雄の子育ても終了です。
産卵水槽から雄も取り出して、中は子供だけになるようにしてください。
以下の記事は、実際に私がベタの繁殖をした記録です。
【STEP6】基本的な稚魚の育て方
基本的に孵化したての稚魚はヨークサックという栄養の袋を持って生まれてきます。
ですから、孵化後3日は餌を食べなくても餓死することはありません。
どの魚も、稚魚の大きさは数ミリと小さいものが殆どで、お母さんのおなかの中で育って大きく生まれるグッピーを以外は、小さすぎて市販の粉の餌を食べることができません。
ですから、孵化後3日目を目途にゾウリムシなどのインフゾリアを与えてください。
私の経験上ベタだけは、ブラインシュリンプしか食べないのでご注意ください。
稚魚たちは小さく弱いので、水替えによる水質ショックに敏感です。
でも、反対に小さいが故に水質悪化に弱いのも事実です。
ですから、手間はかかりますが日々スポイトを用いて水底の糞などを取り除きながら、吸い出した分の水を足してあげる形で水替えをしてあげてください。